お雪さんの盃流し(都城市 関之尾滝)
Posted morimori / 2018.07.30 Monday / 23:13
関之尾公園(関之尾滝)に伝わる物語
今から600年前、時の都城城主、北郷資忠公(ほんごうすけただ)が家臣を引き連れて、ここで月見の宴を行いました。こうこうたる月に映える滝の美しさ、甌穴の不思議な水の流れに一行は酔っていました。
関之尾滝(満月はコラージュ)
この宴に庄内一の美女 十八歳の通称 お雪(おしず)がよばれ、殿様にお酌をしますが、緊張のあまり酒をこぼしてしまいました。
それを苦にした お雪は宴の終わった後 滝つぼに身を投げました。
お雪の恋人 経幸(つねゆき)は日夜悲嘆にくれて滝の上から声を限りにお雪の名前を呼び続け泣き悲しみ、槍の穂先で岩に思いをこめた一首の歌を刻み残し、行方が分からなくなりました。
書きおくも かたみとなれや 筆のあと
また会うときの しるしならん
この経幸の想いが通じて、毎年名月の夜になると朱塗りの盃が滝つぼに浮かんでくるのでした。
二人を偲んで恋人道志で男滝、女滝に酒を流すと必ず結ばれるという。
/ 都城市 都城市観光協会
※「お雪さん」「おしずさん」季節など含め、諸説あるようです。
お雪さん(おしずさん)の盃流し
伝説にちなんだ行事「お雪さんの杯流し」が7月28日、古式ゆかしく繰り広げられた。まず、ボランティアガイド「関之尾むかえびと」の会 末原鶴雄さんにより、お雪さんの伝説(諸説)の説明がありました。
いよいよ盃流しです。
御神酒で浄めます。
まずは、本物の盃で、撮影タイム。
お雪さんの盃流し(都城市 関之尾滝 上流 甌穴にて)
お雪さんの盃流し(都城市 関之尾滝 上流 甌穴にて)
実際に流すのは、紙で出来た水に浮く盃でした。
お雪さんの盃流し(都城市 関之尾滝 上流 甌穴にて)
お雪さんの盃流し(都城市 関之尾滝 上流 甌穴にて)
みやざきの神話と伝承より引用
滝つぼに眠る「無念」
都城市街地から北西へ約9キロ、霧島山のふもとに庄内田園地帯が広がる。名勝・関之尾の滝は庄内川にかかり、高さ18メートル、幅40メートル、滝の上部には600メートルに及ぶ甌穴(おうけつ)群があり、国の天然記念物に指定されている。
ここには、滝つぼに身を投げた〈女人哀話〉が伝えられており、現在も7月第3土、日曜日に供養の行事が続けられている。これを「おゆき祭り」という。ことの発端は、600余年前の都城初代領主・北郷資忠の時代とも、宝暦年間(1751−64年)の島津氏の時代とも言い、その真実は定かではない。
時の領主が家臣と奇観関之尾を訪れ、中秋観月の宴を催した。これには諸話があって、「5月ツツジ観花の宴」「弥生の観桜の宴」とも伝え、はっきりしたことは分からない。ただ、御霊鎮めの儀礼を核にし継承されていることは、そこに〈女人悲傷〉の実話性をうかがわせる。
この宴には腰元たちも招かれ、領内の美ぼうの女人も配ぜんなどを手伝ったという。その中に「おゆき」という美しい女人がいた。腰元であったとも、庄内の土地の娘であったとも伝える。宴もたけなわのころ、座つきの女人に不作法があって、詮議(せんぎ)の末に「おゆき」ということになった。無礼者として矢継ぎ早にそしられ、身に覚えのない辱しめを受けた。
もっともこの話にも幾つかの筋があって、その名を「おしず」とも伝えており、共通するところはきっての美ぼうであったということである。家臣たちのせん望の的となり、腰元たちのしっとの念がたぎったのであろう。ちなみに、「おしず」の方には供養墓も残されており、命日を7月18日とも伝え、辞世の歌として「書きおくも形見となれや筆の跡また逢ふ時のしるしなるらむ」の一首が語り継がれている。
宴席で恥辱をうけた女人は無実の罪を負い、盃(さかずき)を持って滝つぼに身を躍らせた。この入水があってから毎年、宴の夜になると定紋入りの朱塗りの盃が滝つぼに浮き上がってきたという。女人には未来を契った恋人がいた。その名を経幸とも真助とも言い、悲嘆にくれた恋人の呼び声にこたえて魂の盃が浮いてくるのだという。
祭りの当日は、腰元風に衣装を改めた女性5人が滝のしぶきを浴びながら、滝の上の岩座から鎮魂・供養の朱盃(はい)を流す。優雅にして哀(かな)しい。
山口保明
たとえ自然に戻る紙と言えども、環境負荷を気遣ってのことでしょう、下流で、関係者の方がこうやって回収しておりました。
この盃流し、二回行ってくれるんです。
そのサービス精神に感謝!
来年、行かれてみてはいかがでしょう?
場所は、甌穴にある、潜り橋 袂付近でした。
水面も一緒に撮ると思いますので、CPLフィルターを付けておいた方が良いと思います。
近いので、レンズは標準ズーム(24-70mm)で十分です。
場所はこの辺り(GoogleMap)です。
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