平成30年度 銀鏡(しろみ)神楽(2-1) 「 降居神楽」
Posted morimori / 2018.12.16 Sunday / 16:19
今年、10月の台風25号による道路崩落で、西都市銀鏡鎮座「銀鏡神社」の浜砂則康宮司(享年51)が車ごと川に転落して亡くなるという事故がありました。
今年、夜神楽は開催されると知り、こんな時だからこそ、行かねば、と、出かけました。
銀鏡神楽(夜神楽)は、12月14日、曜日関係なく行われます。
道中、事故現場を通りました。
銀鏡神社にほど近い県道、道路が半分えぐられ、(おそらく)ほぼ当時のままでした。
今週から通行止めとなり工事が行われるようでした。
禰宜を務めてらした米良久通さん(64)が後任の宮司となり、今回の銀鏡神楽で宮司舞を引き継ぎ、「西之宮大明神」などを立派に披露されておりました。
また、若い舞手が増え、安泰のようでした!
今回の神楽でも、再会、新しい出会いなど、いろいろな出会いがありました。
きっと、皆さま、それぞれ、銀鏡神楽に思いがあり、集ったのでしょう。
今回は、銀鏡神楽の見所の一つ、神々が次々と降り立つ「降居神楽」の写真を中心に紹介します。
鵜戸鬼神
第五番、鵜戸神楽、第六番、鵜戸鬼神は鵜戸神宮に関するものです。記録によれば、銀鏡神楽は、鵜戸神宮(当時:鵜戸山道場)の別当を務めた浜砂淡路守重賢が天和(1681-1684)の頃、鵜戸で習得した神楽「鵜戸神楽」「鵜戸鬼神」などを銀鏡に帰郷して伝えたとされているとのこと。
〔鵜戸鬼神〕
「降居」
銀鏡では神楽面そのものが神様として考えられており、神楽番付の前半ではこの神々が次々に降臨します。これを(降居(おりい)と称します。)これらの神々が次々に舞い降りる神楽の前半の降居(おりい)は、神主や宮司によって舞われる厳粛なものです。
七番「幣差」から13番「七社稲荷大明神」まで、鎮守の神々の降居神楽が続きます。
〔西之宮大明神〕
〔宿神三宝荒神〕
宿神三宝荒神の神面は県有形文化財に指定されている。
〔若男大明神〕
〔六社稲荷大明神〕
〔七社稲荷大明神〕
米良神楽(銀鏡神楽・しろみかぐら)番付
演目 数 着面●/素面○ 時刻のめやす(平成21年に記録したもの)- 1 星の舞(この一番だけは12月13日に奉納されます。) 2 ○ 前日
- 2 清山(キヨヤマ) *清山の前に神社・会場の雰囲気・神事をも掲載神屋清め。
狩衣 ・烏帽子姿で鈴と御幣を採りものに清楚に舞う。 2 ○ 20:27
- 3 花の舞 [結界]年少舞。清浄の域をかぎり、 献饌をかたどる。 (古くは神子舞) 4 ○ 20:49
- 4 地割 耕地の切り替え・土地鎮めの舞。鎮めの証として「宝渡し」がある。 4 ○ 21:17
- 5 鵜戸神楽(ウドカグラ)鵜戸鬼神の来臨を乞うて、「柴手水」で祓う。 2 ○ 22:15
- 6 鵜戸鬼神(ウドキジン)鵜戸神「来訪神」との神あそび。 1 ● 22:38
- 7 幣指(ヘイザシ)西之宮大明神を迎えるための四方祓えの舞。「地舞」 2 ○ 22:54
- 8 西之宮大明神(ニシノミヤダイミョウジン)祭神舞(宮司舞)地域守護。 冠をつけ面樺を採りものに厳粛に舞う。 1 ● 23:21
- 9 住吉(スミヨシ)宿神三宝荒神を迎えるための四方祓えの舞。「地舞」 4 ○ 23:41
- 10 宿神三宝荒神(シュクシンサンポウコウジン)祭神舞(神主舞)地域守護。西之宮大明神とともに銀鏡神社の両神舞。 1 ● 00:19
- 11 若男大明神(ワカオトコオオカミ)太玉命の舞とも。大玉串をささげ、平安を祈願する舞。 1 ● 00:32
- 12 初三舞(ハサンマイ)降神を導くための舞。「地舞」 4 ○ 00:45
- 13 六社稲荷大明神 稲荷神による守護の舞。 1 ● 01:44
- 14 七社稲荷大明神 稲荷神による守護の舞。(山の神の舞であるともいう) 1 ● 02:21
- 15 神崇(カンシイ) *神主舞あり五方神に守護を祈願する舞。ツマドリをつけ、太刀を採りものに勇壮に舞う。 1 ○ 02:34
- 16 荘厳(ショウグン) *神主舞ありクシイワ・トヨイワの両神を命づけした祓えの将軍舞。(神田を守護する舞ともいう) 2 ○ 03:27
- 17 柴荒神(シバコウジン)「はらかき荒神」とも。宇宙の成り立ちの根本を自然のありようによって説く。(問答) 1/1 ○/● 04:00
- 18 一人剣(ヒトリツルギ)豊作感謝の舞。小太刀を孫りものに曲技を展開する。(修験神楽) 1 ○ 04:40
- 19 神和(カンナギ)女装束舞。五気の順運を願う増殖儀礼の舞。 1 ● 05:03
- 20 綱荒神(ツナコウジン)荒神が「綱の問答」をなす。綱は邪神の象徴として登場するが、豊饒と再生をもたらす性格も具備している。 2/1 ○/● 05:17
- 21 綱神楽(ツナカグラ)「蛇切り」とも。智剣によって妄念を絶つともいう。 4 ○ 06:00
- 22 伊勢神楽(イセカグラ) [大神神楽]岩戸(伊勢縁起)を説く舞。神主舞。 1 ○ 06:36
- 23 手力男命(タチカラオノミコト)岩戸さぐりの舞。(神話劇) 1 ● 07:07
- 24 戸破明神(トガクシ)手力男命の化身舞。岩戸びらき。 1 ● 07:27
- 25 白蓋鬼神(ビャッカイキジン) [あまほめ]アマの霊徳をたたえる舞。面棒でアマをつつきながら舞う。 1 ● 07:56
- 26 オキエ [火の神舞]女装東舞。カマド神を祀る舞。 2 ○ 08:07
- 27 室の神(ヘヤノカミ) [杓子面]陰陽の姿を説く舞。子孫繁栄の祈願ともいう。(問答) 1/7 ○/● 08:33
- 28 七鬼神(シチキジン)一説に七人の山の神の舞とする。 1/7 ○/● 08:56
- 29 獅子舞(シシマイ)山の神が山の生きもの(獅子)を統治する舞という。 1/7 ○/● 08:59
- 30 衣笠鬼神(ミカサキジン)[笠取]田植えかぐら。稲作儀礼の舞。 2/8 ●/○ 09:11
- 31 鎮守 (クリオロシ)集落の安泰を祈願。勧請の神々に感謝する舞。 6 ○ 09:19
- - 本殿祭 式31番の後に銀鏡神社本殿にて執り行われます。 11:12
- 32 ししとぎり [狩法神事]山入りから捕獲までの過程を演じ、狩りの暮らしに感謝する舞。 2 ● 13:43
- 33 神送り 勧請の諸神を送る神楽。 3/全員 ●/○ 14:31
平成30年度 銀鏡神楽 2-2 岩戸開き編へ続く。
当サイト内関連ページ
➡ 銀鏡神楽
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新聞記事関連リンク
➡ 宮崎日日新聞(2018.12.16)
宮崎日日新聞では、一面に掲載されていた。
"亡き宮司へ鎮魂の舞
住民・継承へ決意"
写真は、西之宮大明神(宮司舞)
(著作権上、記事が読めない程度の大きさで掲載してます。)
➡ 朝日新聞(2018.12.16)
朝日新聞の記者さんは、私の近くで撮影していたので、挨拶程度にお話しましたが、銀鏡神楽は初めての取材と言ってたような・・、原稿締め切り時間とかあったでしょうか、降居の頃にはどこかへ・・・個人的には、少なくとも「西之宮大明神」までは取材して、掲載して欲しかった。
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