日々ブログ MORIMORI @宮崎県

高解像(1920pix幅)写真を交え 宮崎県観光/情報などを中心に紹介


FB・twitter フォロー / Youtubeチャンネル登録お願いします(^^)

最新20記事リスト表示
【当サイト内検索・画像検索含む】

霧島連山 新燃岳 本格的なマグマ噴火から今日で9年 あの時を振りかえる

Posted morimori / 2020.01.26 Sunday / 09:10


新燃岳で本格的なマグマ噴火が発生して今日(1月26日)で9年となります。
その後、新燃岳は幾度も噴火を繰り返しましたが、2018年を最後に爆発的噴火は発生していないと思います。

現在の新燃岳の噴火警戒レベルは2、地下のマグマの膨張は停滞しているとみられているようですが、時折一時的に火山性地震は増えたりしておりますので、まだまだ安心は出来ない状況です。

新燃岳周辺の火山性地震回数の推移
新燃岳周辺の火山性地震回数の推移(気象庁サイトより抽出)


2011年の当時、新燃岳の噴火の記録を作成しておりましたので、当時作成した記録の一部(2011年1月26日・27日)を一部転載します。

2011年1月26日

朝から新燃岳の噴火が続く(中規模噴火)

07:31 小規模な噴火が数回発生
15:30 灰白色の噴煙が火口縁上1500mまで上がる。
気象庁東京航空路火山灰情報センターの情報によると、一時7,500mに達したとも言われております。

Youtubeより(おそらく新湯温泉近く 霧島公園小林線(県道104号)から撮影したもの)


気象庁は18時に新燃岳の噴火警戒レベルをこれまでの「レベル2」から「レベル3」の入山規制に引き上げた。
宮崎県内では初めての噴火警戒レベル3(入山規制)となる。

霧島火山新燃岳2011年噴火活動の推移と噴火対応,ならびに火山噴出物の調査結果PDFより 引用

西山 賢一(徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部/環境防災研究センター) 

噴火警戒レベルが3に引き上げられた際の警戒範囲は、火口から2km圏内であったため、新燃岳の山体直下にある新湯温泉は範囲外となり、この周辺で撮影された多くの噴火映像がYouTubeにアップされている。火口から約1km流下した火砕流を伴う準プリニー式噴火が断続的に発生していた1/26-27に、火口から2kmちょっとしか離れていない新湯温泉付近に多くの観光客がいた事実は、防災上、きわめて危険な事態であったと考えざるを得ず、火砕流や火砕サージなどによる遭難者が出なかったのは幸運だったといえる。/ 追記終わり。


2011年 新燃岳噴火 1月26日
2011.1.26 大浪池カメラ:鹿児島県 姶良・伊佐地域振興局


2011年 新燃岳噴火 1月26日
2011.1.26 大浪池カメラ:鹿児島県 姶良・伊佐地域振興局


降灰により道路通行止め
鹿児島県
県道480号線と市道永池湯之野線の交差点〜高千穂河原、
県道104号線の新湯温泉〜高千穂河原、

宮崎県
国道223号 宮崎県高原町蒲牟田〜都城市吉之元町荒襲 (約11.4km)、
県道45号御池都城線 宮崎県都城市夏尾町宮前〜山田町中霧島池之原、
県道417号 牛之脛山田線 宮崎県都城市夏尾町東牛脛〜山田町山田平山

新燃岳から50km離れた宮崎市内で、夜 風もないのに家の中のふすまがカタカタ、カタカタ、窓ガラスがガタガタ、ガタガタと音がして不思議に思っていた。(この時は、新燃岳の「空振」による影響とは思いもよらなかった。)

2011年1月27日

朝2時過ぎ頃でしょうか、家が揺れるような地鳴りのような振動が断続的に続き、目が覚めた。
振動は4時過ぎ頃まで合間無く続く・・・

これだけの異常現象(あの時は、超常現象?とも思えた・・)、こんな異常現象ならテレビで速報があるだろうと、テレビをつけてみたが情報皆無、朝になってもニュースでもこの件何も無し。
 
夜が開け、インターネットで宮崎市の地域掲示板に何か情報が無いか見てみると、新燃岳の噴火による「空振」現象がおきていたことを発見、その後テレビのニュース等で「空振」が報じられたのはお昼頃になってからのこと、何か災害等があるとメール連絡が来る宮崎県の危機管理から携帯へ「空振」の件でメールが来たのは、その翌日になっての事でした。

インターネットのコミュニティーサイトなどの方が情報が早いという現実・・・。

以下は後で、ライブカメラ画像をDLしたもの。
2011年 新燃岳噴火 1月27日
2011.1.27 大浪池カメラ:鹿児島県 姶良・伊佐地域振興局


早く知っていればどんなに安心した事か・・ まさか、霧島から50km隔てた宮崎市にあんなに大きな振動がこようとは夢にも・・ほんと不安な一夜でした。この日の噴火は、50km隔てた宮崎市からも、飛び散る火炎や雷が観測出来たとの事です。

15:41 1822年以来189年ぶりに爆発的噴火(1回目)が発生。
火口から北西以外のほぼ全方向へ約1.5kmにわたる火砕流の跡も確認。「空振」も発生、「空振」は宮崎県内各地および九州各県で観測された。

空振(くうしん)Wikipadiaより抜粋引用
空振は、火山の噴火などに伴って発生する空気中を伝わる空気振動である。圧力波の1種とされる。
火山が爆発的な噴火を起こすとき、火口において急激な気圧変化によって、空気の振動が発生し衝撃波となって空気中を伝播する。火口から離れるに従って減衰し音波となるが、瞬間的な低周波音であるため人間の耳で直接聞くことは難しい。空振が通過する際に建物の窓や壁を揺らし、窓ガラスが破損するなどの被害が発生することもある。また、20Hz以上の周波数成分を含み人間の耳に聞こえる振動は爆発音と呼ばれる。


(その後の爆発的噴火では、空振により窓側ガラスが割れるなど霧島温泉などで被害が出た。)

日南市が災害対策本部設置。
霧島地区神宮台に自主避難についてのチラシを全戸配布。
市道永池湯之野線の一部を通行止め。
霧島地区で降灰と硫黄臭確認。
宮崎市・日南市等でも降灰を確認。
県道406号高千穂峰狭野線 宮崎県高原町大字蒲牟田サンヨーフラワー温泉〜高原町大字蒲牟田 降灰による通行止。
 



NASA 衛星写真より
2011年 新燃岳噴火 1月27日 NASA
2011.1.27 NASA 衛星写真


以下は、新燃岳より東に約50km隔てた宮崎市小松台より撮影

2011年 新燃岳噴火 1月27日

2011年 新燃岳噴火 1月27日

この頃は、噴煙に交じり火山灰より大きなものも風に乗って(宮崎市まで)運ばれてきて、車庫の波板に降りパチパチと音を立てておりました。

2011年1月28日

新燃岳火口内の火口湖は消失し、直径数十メートル程度の溶岩ドームが出現したと発表された。
宮崎県が災害対策本部設置、宮崎県都城市が災害対策本部設置、宮崎ブーゲンビリア空港が滑走路を一時全面閉鎖
1月27〜28日には新燃岳から3Km離れた、鹿児島県側、高千穂河原で、直径7〜8cmの噴石の飛散が確認される。
宮崎市では、朝、外に出ると辺りは温泉(いわゆる硫黄臭・硫化水素?)の臭い、うっすらと灰が積もっておりました。

2011年1月29日

火砕流の恐れがあるとして、高原町は31日未明にかけて513世帯1158人に初の避難勧告
宮崎日日新聞 7月26日付
「新燃岳本格的噴火から半年・周辺首長に聞く」より一部引用
高原町日高光活町長のお話
“当初、山火事や火山雷、空振などが起き、多くの町民は恐怖におびえた。溶岩ドームが拡大して火砕流の危険性の一報が入り、町民の生命財産を守るためには災害対策本部で避難させないといけないと意見が一致し、地元の区長、班長とも意見がまとまった。真夜中の避難となったが、事前に関係区長に避難勧告に関する文書を配るなどしていたため、パニックが起きず迅速に避難ができた。勧告の判断は当然、高原町の首長として正しいと思っている。”

(途中省略 窓ガラスが多く割れるなどの被害が出た2月1日の記録)

2011年2月01日

気象庁は、新燃岳の噴火で今後、大きな噴石がより広い範囲に飛ぶおそれがあるとして、午前11時20分に改めて火口周辺警報を発表、立ち入らないよう呼びかける範囲を、これまでの火口からおよそ3Kmからおよそ4Kmに広げました。噴火警戒レベルは引き続き「入山規制」を呼びかける「レベル3」。

2月1日朝7:54の爆発的噴火による空震で被害が多く出た。(爆発の規模は、1月26日、27日よりも小さいようです。)

霧島市内のホテルや病院、学校、民家、観光施設などの124施設で381枚の窓ガラスが割れるなど被害総数は計530件に上った。

霧島温泉クリニックでは、空振によって病院内の窓ガラス3、4枚が割れ落ちた。ベッドで寝ていた入院患者の女性(92)が、額を切るなどの軽傷。

新燃岳火口から5、6キロ離れた霧島温泉郷でも相次いだ。

立ち入り規制区域に近い霧島いわさきホテルでは大小約40枚のガラスが割れた。
ホテル霧島キャッスルでは大きなガラス2枚のほか、大浴場や客室のガラスが割れた。
霧島スパヒルズでは約100枚の窓ガラスが割れた。
霧島市高千穂にある霧島国際ホテルでは、2階にある大浴場のガラス(高さ約2メートル)が粉々に割れた。
霧島田口の国民宿舎みやま荘では窓ガラス計4枚が割れ、玄関の自動ドアがゆがんだ。
新燃荘も窓ガラス数十枚が割れ、壁にひびが入った。近くに様子を見に来ていた方は、ごう音とともに噴石が上空を飛ぶさまを見たという。

新燃岳火口から約11キロ離れた霧島市霧島田口にある霧島市霧島総合支所では、1階の窓ガラスが1枚割れた。 近くにある霧島公民館でもガラスが割れる被害があった。

この日の空振被害は、窓ガラスが割れるだけではなく、ドアが吹き飛んだり、アルミサッシ枠がくの字に折れ曲がったりという被害もありました。

3Kmの区域を越えて赤熱した噴石が飛散、小規模な山火事が発生。

火口から3.2Km離れた霧島市内新湯付近(牧園地区新湯温泉手前の林の杉林)には縦70センチ、横50センチの噴石が落下。木はなぎ倒され、直径6メートル、深さ2・5メートルもの大きな穴が開いた。

2011年 噴石跡(新燃岳噴火での噴石跡)
噴石落下跡(えびのエコミュージアムセンター内の展示物を撮影)


4K規制圏内の霧島市 みやま荘 新燃荘 閉鎖

県道1号線の霧島いわさきホテル前〜宮崎県境(えびの高原方面) 噴火よる通行止



以降の詳細は以下に記録
 新燃岳2011年噴火以降の記録(時系列)

 


− 霧島連山 新燃岳 本格的なマグマ噴火から今日で9年 あの時を振りかえる −
日本のひなた宮崎県
PAGE TOP