えびの高原 硫黄山で新たな噴気点が確認され高濃度の硫化水素を検出
Posted morimori / 2017.02.16 Thursday / 18:18
2月13日、えびの高原 硫黄山(いおうやま)警戒区域の近くを通る、韓国岳への登山道から約40m離れた地点で、新たな噴気が出ているのを地元山岳ガイドクラブが確認。
宮崎県が15日火山ガスを測定したところ、周囲で高い濃度の硫化水素を測定したとのことです。
硫黄山の噴気点は、4か所目。
〜 硫黄山 新たな噴気点の位置(およそ) 〜
➡ 宮崎県サイト内ページによると
測定日時 平成29年2月15日(水曜日) 午前10時00分から午後0時10分まで
今回の地点の 硫化水素濃度は、30cm高さで 400ppm、1.5m高さで 5ppmだったようです。
硫化水素の人体に対する作用と毒性
理研計器株式会社サイトより引用
濃度(ppm) 作用又は毒性 0.025 鋭敏な人は特有の臭気を感知できる 0.3 誰でも臭気を感知できる 3〜5 不快に感じる中程度の強さの臭気 10 眼の粘膜が刺激される下限。 20〜30 耐えられるが臭気の慣れで、それ以上の濃度に、その強さを感じなくなる。
肺を刺激する最低限界100 2〜15分で臭覚が鈍る。1時間で眼、気道の刺激
8〜48時間の連続ばく露で死亡することあり。170〜300 気道粘膜の灼熱的な痛み。
1時間以内のばく露ならば、重篤な症状に至らない限界700 短時間、過度の呼吸運動が現れた後、直ちに呼吸麻痺、窒息死 1000 昏倒、呼吸麻痺、窒息死
今回検出された硫化水素の濃度は、30cm高さで400ppm 上記を参照すると300ppmは“気道粘膜の灼熱的な痛み。1時間以内のばく露ならば、重篤な症状に至らない限界”
700ppmは、“短時間、過度の呼吸運動が現れた後、直ちに呼吸麻痺、窒息”
と、記載されている。
この地点は、十数年前までは噴気があがっていたところとのこと。
えびの市は15日、登山道から外れないように注意を促す看板を設置、新たな噴気の周辺にロープを張って立ち入り禁止にした。
宮崎県は、新たな噴気点をM18地点として今後、観測注視、測定結果を発表して行くとようです。
〜 GoogleMap上に県の資料を基に作図(おおよその位置) 〜
© 2017Google. 地図データー © 2017Google.ZENRIN
© 2017Google. 地図データー © 2017Google.ZENRIN
登山道から40mとのこと、韓国岳への登山道は、この噴気点を囲むようにあります。
付近の地形などはわかりませんが、ガスは窪地に溜るとか・・見えないガスだけに、登山道は安全なのか、心配です。
地図データー 国土地理院
噴気の近くにある「小」みやいな縦三本記号は「荒地」の記号です。ベースにした画像:2017年1月13日/2月15日発表 宮崎県サイト内資料より
© 2017Google. 地図データー © 2017Google.ZENRIN
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以前も書きましたが、えびの高原から硫黄山を経由せずに韓国岳へ登れるルートがあると良いのですが・・
つつじヶ丘あたりから韓国岳への新たなルートは作れないものでしょうかね・・・。
えびの市営露天風呂
ピンチをチャンスに?今回の箇所は十数年ぶりに噴気が確認されたとのことで・・ふと思い出したのですが・・
ボイラー設備がなく、源泉の湯温低下に伴い、2006年4月閉鎖した、えびの高原の「えびの市営露天風呂」源泉の温度がかつての52℃位まで復活してたりしませんかねー?
復活するといいなーーあの、余計な設備、なんもねぇ〜 ワイルドな温泉一本勝負みたいな雰囲気好きだったもので。
2006/04/13 (木)にブログに書いた記事を転載します。
えびの高原市営露天風呂休止
2006年4月12日の報道によると、えびの高原市営露天風呂が営業休止になったようです。
えびの高原市営露天風呂は高原の景色を楽しめる温泉として、45年前にえびの高原にオープンした市営の露天風呂ですが、もともと52℃あった湯温が2005年7月頃から下がり始め2005年9月の台風14号以降28℃まで低下したため、2005年10月11日から今年に入っても臨時休業中でした。
えびの市では、専門家等交え調査を行なったが、湯温低下の原因が結局わからず、解決せず、当面、再開の見通しが立たないことから、今月(2006年4月)から全面的に休止する事に決めたようです。
私はこの九州で一番高いところにある温泉でもある、市営えびの高原露天風呂には、3,4回ほど入りましたが、硫黄の匂いのプンプンする濃い泉質、沸かしなんかしない単なるかけ流し、洗い場なんかないワイルドで野味あふれる雰囲気、風呂から眺める暮れ行く夕焼けのえびのの光景、良心的な格安料金(少し前まで200円だった)等々お気に入り。
宮崎県ではなかなお目にかかれない、私の一押しの温泉だっただけに、昨年来予想はしておりましたが、こうやってえびの高原市営露天風呂営業休止の報道を改めて聞いて、とても残念です。
以前は、韓国岳の登山口などあちこちで蒸気の噴出が見られていたが今では、噴気も見られなくなっているそうです。
自然に頼っているだけにどうすることも出来ません・・
たぶん、再開は絶望的なのでしょうね・・。
宮日新聞記事(2006年5月8日朝刊)によると
京都大学大学院付属火山研究センターの鍵山教授は「大雨の影響もないわけではないが、あくまで硫黄山の地下約10kmに滞留しているマグマが減ってきたことが主因」「再び火山ガスが上がってくれば噴気活動はさかんになるだろう」と分析しているという。
ボイラーで暖めても源泉が強い酸性なのですぐに痛んでしまうらしいです。
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