えびの高原硫黄山火口内で噴出物・噴火警戒レベル2へ引き上げ
Posted morimori / 2017.05.09 Tuesday / 23:42
えびの高原 硫黄山(いおうやま)の活動が活発になっております。
気象台は、硫黄山からおおむね1Kmの範囲で噴火に伴う大きな噴石に警戒するとともに、風下側では小さな噴石に注意を呼びかけています。
十分ご注意ください。
〜 硫黄山(過去に韓国岳登山道より撮影したもの) 〜
硫黄山火口内で噴出物・レベル2へ・周辺1Km規制・小規模噴火の恐れ
2017年(平成29年)5月9日19時20分 福岡管区気象台 鹿児島地方気象台は、霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)に火口周辺警報(噴火警戒レベル2 火口周辺規制)を発表しました。4月25日11時頃から硫黄山南西観測点の傾斜計で、硫黄山方向が隆起する傾斜変動が繰り返しみられており、現在(発表時点)も隆起が継続しています。
東京大学地震研究所が5月8日に実施した現地調査によると、火口内とその周辺のおよそ200mから300mの範囲で、少なくとも10か所以上、噴気が勢いよく上がっているのを確認。このうちの1か所は、噴気が出ている穴の大きさが2mほどあり、その周辺で長さおよそ150m幅およそ50mの範囲で土砂などが噴出した痕跡が見つかったようです。
➡ 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の火山活動解説資料(平成29年5月9日20時50分発表)
えびの高原への道路、通行止等
えびの高原へは、小林市側からの県道1号(小林えびの高原牧園線)の通行は不可、えびの市側から県道30号、もしくは、鹿児島県霧島温泉側から県道1号となります。- 硫黄山1km規制図 -
➡ 規制詳細(宮崎県)
えびの高原周辺の登山道規制、入山規制等
韓国岳(からくにだけ)への登山は、旧えびの高原ホテル横から大浪池を経由するコースのみ可能。(大浪池からの木の階段上りが結構辛いコースです。)池めぐりコースは、えびのエコミュージアムセンター側から六観音御池展望所まで利用可能。
甑岳登山は、白鳥温泉下湯から、「アバンダントしらとり郷土の森」を利用したコースのみ可能。
霧島連山登山(入山)規制 登山道の規制情報
2017年(平成29年)5月9日時点で、新燃岳および硫黄山の噴火警戒レベルは2(火口周辺規制 1Km)です。
規制圏外でも、大幡山等、一部未整備の登山道は安全確認が出来るまで従来のまま規制中です。
新燃岳・中岳付近の登山道は標識等も灰に埋まり、また、荒れており、滑落等危険な場所などあるようです。2013年10月末には遭難騒ぎも起きてしております。規制中の登山道には絶対立ち入らないようお願いします。
- 登山道規制中:硫黄山、獅子戸岳、新燃岳、中岳、大幡山 (概ね山に通じる登山道基点より規制)
- 開放中:えびの高原の※池めぐりコース(白鳥山)、※甑岳、※韓国岳(大浪池からのコースのみ解放)、大浪池、高千穂峰(御鉢含む)、栗野岳
《注記事項》
※韓国岳については、一般的な登山道である硫黄山経由の登山道は規制中、大浪池経由のみ登山可能。
※池めぐりコースについては、六観音御池展望台から不動池方面および甑岳方面へは利用できません。
※甑岳については、旧市営露天風呂側からの登山はできません。白鳥温泉下湯から、「アバンダントしらとり郷土の森」を利用したコースの登山は可能。
専門家は、「新燃岳火口縁を通る霧島連山の縦走(韓国岳→高千穂峰)は、(2011年のマグマ噴火から)10年単位で考える必要があるであろう」との見解を示しています。
霧島火山防災マップ / 硫黄山の噴火警戒レベルについて
環霧島会議の「霧島火山防災マップ」を参照すると、現在、噴火が想定されているのは、「新燃岳」「高千穂峰の御鉢」「えびの高原周辺(硫黄山)」「大幡池」のようです。以下の防災マップに一度目を通しておくことをお奨めします。➡ 霧島火山防災マップ・表面
(内容:噴火レベル2及び3(新燃岳・御鉢)、入山危険時(大幡池・えびの高原周辺)においての立入り禁止区域を図示など。)
➡ 霧島火山防災マップ・裏面
(内容:規模が大きな噴火が起こった場合の災害予測区域について、各火山が火口となった場合を想定して、軽石流(火砕流の一種)、火砕流、熱風(火災サージ)、噴石の飛ぶ恐れのある範囲等を図示。)
➡ 硫黄山の噴火警戒レベルについて(気象庁・リーフレット)
硫黄山噴火警戒レベル時系列
2017年- 5月9日 噴火警戒レベルを1から2に引き上げ。
- 4月28日 立ち入り禁止区域、歩行者通行禁止区域拡大。
- 1月13日 噴火警戒レベルを2から1に引き下げ。火山ガス濃度の高まりを受け、新たに立ち入り禁止区域を設け、県道1号の一部に歩行者通行禁止区域を設定。
- 12月12日 噴火警戒レベルを1から2に引き上げ。
- 12月6日 噴火警戒レベルを導入、レベル1。
- 3月29日 火口周辺警報を噴火予報こ引き下げ。
- 2月28日 噴火予報(活火山であることに留意)を火口周辺警報に引き上げ。
- 2月19日 火山ガス濃度の高まりを受け、火口周辺に立ち入り禁止区域を設定。
- 5月1日 噴火予報(平常)に引き下げ。
- 10月24日 火口周辺警報(火口周辺危険)発表。
当サイト内 関連ページ
➡ 硫黄山➡ えびの高原
追記情報
気象庁は5月11日、硫黄山周辺で現地調査を行った。
噴気活動はこれまで同様に活発で、大きな噴気音なども確認。火口外での噴出物はなかった。とのこと。
➡ 霧島山硫黄山火口周辺で発生した土砂噴出について 2017年5月11日 東京大学地震研究所
➡ 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の火山活動解説資料平成29年5月12日発表 福岡管区気象台 地域火山監視・警報センター 鹿児島地方気象台
硫黄山周辺 地盤変動続く (5/15 17:19 NHKニュース)
硫黄山周辺では、山が隆起していることを示す地盤の変動が繰り返しみられ、15日も隆起が続いています。監視カメラによる観測では、13日、噴気が80メートルの高さまで上がるなど活発な噴気活動が継続しています。
5月17日、えびの高原エコミュージアムセンター設置のライブカメラ画像を見ると、 複数のところから噴気が上がっているのが確認できた。
〜 ライブカメラ画像 〜
6月4日の画像
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