椎葉神楽〔嶽之枝尾神楽〕 (たけのえだおかぐら) Part1
Posted morimori / 2018.12.01 Saturday / 23:47
【 追記 】過日、WebPageを作成しました。
➡ 嶽之枝尾神楽(椎葉神楽)(全11ページ)
宮崎県椎葉村で「嶽之枝尾神楽(たけのえだおかぐら)」(国指定重要無形民俗文化財「椎葉神楽」の一つ)を見学しました。
嶽之枝尾神楽 全5ページ
➡ 椎葉神楽〔嶽之枝尾神楽〕 (たけのえだおかぐら)1➡ 椎葉神楽〔嶽之枝尾神楽〕2 注連立・宿借り・注連引鬼神
➡ 椎葉神楽〔嶽之枝尾神楽〕3 子供神楽
➡ 椎葉神楽〔嶽之枝尾神楽〕4 柴入神楽・柴問答・柴引・戸取・綱入神楽・綱問答
➡ 椎葉神楽〔嶽之枝尾神楽〕5 岩戸舞・綱切・御笠舞・神送り
「嶽之枝尾神楽」は、12本の外注連(大宝の注連)、注連引鬼神、宿借りなど、他の神楽では見られない、特徴的な神楽もあり、前々から見学したかったところでした。
神楽、神楽宿(拝殿)、進行、おもてなし、どれも素晴らしい神楽でした。
WebPageはいずれ作成する予定ですが、いかんせんこの時期、毎週末夜神楽なもので・・いつになるやら(^^;)
旬な内に、ブログで少しだけですが写真を紹介します。
今年は、嶽之枝尾神社(たけのえだおじんじゃ)で奉納
今年の「嶽之枝尾神楽」は、椎葉村南部、小崎川流域に位置する、竹の枝尾日当に鎮座する嶽之枝尾神社で行われました。以前は、3集落の民家の輪番制で行われていたようですが、昭和43年(1968年)に嶽之枝尾神社の舞殿を改築してからは、ほぼ、嶽之枝尾神社で奉納されているようですが、見学を予定される際には、その年の奉納場所の再確認をお願いします。
椎葉神楽は、ならわしにより、直前で神楽中止となる場合もありますので(今年は当初予定していた5ヶ所程が中止となっております。)お出かけ前直前に「椎葉観光協会サイト」で、確認をお願いします。
竹の枝尾集落 小崎川を隔てた対岸(国道)より撮影
椎葉村嶽之枝尾神社 アクセス 地図 情報
住所:〒883-1602 宮崎県東臼杵郡椎葉村大河内1949以下の地図リンクは、嶽之枝尾神社への登り口のおおよその場所です。
神社へ登る道路は、神楽当日、一般車両進入禁止となっておりましたので、入口周辺(付近に何ヶ所か駐車スペースあり)に駐車の上、神社まで徒歩(5分程度坂道)で向かいます。
地図:GoogleMap Mapfan Mapion
(501 660 527*23)
緯度経度:32度26分18.16秒 131度7分47.34秒(日本測地系)
嶽之枝尾神社概略地図
近くには、柳田國男が民俗調査の為、滞在した当時の村長(中瀬淳)宅があり「日本民族学発祥之地」の碑があります。
参考関連リンク ➡ りみやざきの百人より「中瀬淳(なかせすなお)」(宮崎県サイト内)
椎葉村中心部から、上椎葉ダムを右手に見下ろし、向かう国道は、すれ違い出来ないところも一部ありますが、橋を渡り、神社下までの道含め、それ程ストレスを感じることはありませんでした。
嶽之枝尾神社(たけのえだおじんじゃ)
嶽之枝尾神社参道階段 鳥居
当日頂いた資料によると
天正四年1576(子の年)御祭神太玉命を祭る。
明治初期神楽道具消失の為、以前のことは分かっていない。
神楽の特徴は、全国でも珍しい八調子であること、太鼓は激しいが、舞はものすごく静かである。
花注連立の神楽は他の地区には伝承されていない。又、「宿借り」「星差」等他の地区にない珍しい神楽が舞われている。
との事。
12本並ぶ注連(立てる前)
横長の拝殿がそのまま神楽宿になる感じと言うか・・この作りは、おそらく神楽奉納を意識して建てられたものだろうと思われます。
神楽は拝殿の内御神屋、および前の外御神屋で舞われる
見学場所のこと・・
祭壇に向かい、右側は、神楽保存会関係者、地元の方が座ります。
祭壇の反対面には「楽」の方が座り、問答などもここで行われ、「乱入」などもあります。
一般の見学者の方は左側に座った方が、おちついて見学できると思います。
神楽に先立ち、神事が行われた。
嶽之枝尾神楽保存会長 中瀬博光氏
平成30年度 嶽之枝尾神楽 神楽順次
- 【*】宮神楽(二人舞) 神迎えの神楽で宮もと神楽ともいう。神社で奉納する一番目の神楽である。
- 【*】大神楽(四人舞) 官神楽ともいう。各神楽を代表するかぐらである。新入者は此の神楽から練習を始める。基本神楽である。
- 【1】注連立(全員) 注連の事を「しゆみ山」(須弥山)という。世界で一番高い山と言うことで偉大なる物を表している。
- 【2】注連唱行(一人舞) 内神屋で祓い清め、外神屋に出て、外神屋で注連の唱行をとなえる。剣の広めともいう。
- 【3】宿借り(二人舞)旅人(山の神)が神楽宿の主人と問答の末、神楽宿を借受ける。悪魔を払い、村に寿福を受ける神が出現したさまを現す。
- 【4】注連誉(二人舞) 注連祝の神楽で、内神屋、外神屋で舞う。注連祝の神楽である。
- 【5】注連引鬼神(二人舞) 二人舞で(荒神でもあり氏神でもある)内神屋で舞い、外神屋で注連を引き、八百萬代の神達を引き集める。
- 【6】御高屋誉(一人舞) 太鼓を打ちながら五方位(東・西・南・北・中中方)の唱行を唱え、又太鼓打ちの音頭に合わせ祝子と共に誉める。
- 【7】安永(四人舞)御幣の手、御盆の手がある。右手に鈴と御幣を合わせ持ち、振りながら座したまま安永の唱行を唱えると立四方舞い終わる。
- 【*】子供神楽 (二番)
- 【8】一神楽(二人舞)神仏混合の時代の神楽といわれ、終わりに神屋座中央に太鼓を伏せ、神官、頭取、舞子がとりかこみ、ダラノ経、五方立唱え終わる。
- 【9】願成就神楽(四人舞) 一年間の無病息災を祈願して、一年間が無事に終了した願成就の神楽である。大神神楽と同じである。
- 【10】平手式三番(二人舞) 前段で平手の舞、後段で刀を抜き、式三番を舞い上げる。
- 【11】紋神楽(二人舞) 狩猟と豊作を祝う神楽である。矢の手、弓の手がある。最後に盆の手、神米をまきちらして終わり。
- 【12】稲荷神社(四人舞) 舞初めに歌と唱行あり農作物の植付から虫供養収穫まで豊作祝に稲荷大明神に奉納する格式高い神楽である。
- 【13】柴入神楽(若者・祝子)稲荷神楽の後半に(稲荷山)の事、若い祝子が芝を持って神楽を舞う神屋座に入れる「ヘイトコヘイサヘイサッサ」繰り返し入れる。
- 【14】柴問答(二人舞) 神主と荒神の問答である。初め神主が荒神を罵るため荒神が荒れる。仲裁役が入り御酒が出て終わる。
- 【15】大神神楽(四人舞) 神楽宿で舞う大神神楽で前述べた通りで基本神楽で代表的ば舞いでもある。
- 【16】星指(一人舞) 風神払そして、太陽、星、お月様が唱行の中で東から出、西に沈むまで歌ってあり、星祭りの舞いである。
- 【17】内鬼神(二人舞) 二人舞いて、内神屋座だけで舞う鬼神である。(鬼神は荒神でもあり氏神でもある。)
- 【18】手力(一人舞) 天照大神が天の岩戸にお隠れになったとき箱根山に駆け登り、榊を一本根こぎにし岩戸の前に植え、曲玉や鏡を掛けた其の折の舞い。
- 【19】柴引(一人舞) 手力の舞と同じで、榊の葉を引き合って舞う。
- 【20】戸取(一人舞) 美濃の国の住神戸隠の大明神は天の岩戸の前に参り百千八萬才の力を出し天の岩戸を引き破りし時の舞い。
- 【21】御喜恵(四人舞) 季節を歌った神楽おきえーの御天で餅を搗き神様に供えることを歌って舞う。
- 【22】牛頭天皇(四人舞) 中国の祭神で中国で疫病が流行し牛頭天皇の神が疫病を祈祷により追払った舞。日本の祇園様と同じ。
- 【23】伊勢神楽(一人舞) 嶽之枝尾神楽で一番各式の高い神楽で神話と伝説の唱行と歌があり宮司の一人舞である。
- 【24】岩戸舞(二人舞) 天の岩戸より手力男命が天照大神の御手を取り迎えれし神楽で世の中が明るくなった。
- 【25】神粹(四人舞) 抜身の太刀を持、太刀揃、乱れ舞、めぐり舞、向い舞等、悪病退散の舞。朝の目覚まし神楽という。
- 【26】綱入神楽(若者・祝子) 神粹神楽のめぐり舞の時、若い祝子衆が雄綱(大蛇)を持って神屋座に入れる(柴入り神楽と同じである)
- 【27】綱問答(二人舞) 神主と荒神の問答である柴の問答と同じで仲裁役が入り御酒を出して納める。
- 【28】年の神(二人舞) 猿田彦命が稗と粟の穂を両手に持ち、年の祝と作祭りをコッケイに舞う神楽でトンカンコウ舞ともいう。
- 【29】火の神(二人舞) 火の神神楽で二人で神屋座より台所を廻りながら舞う。
- 【30】入増(四人舞) 四人で外神庭で舞う「一神楽」の上ん調の舞い方とほぼ同じで、右手鈴、左手太刀鞘のままで抜くことは無い。
- 【31】綱切(全員) 外神屋の前に雄綱(大蛇)宮司以下祝子が次々に太刀で綱切る「剣を賜いて綱の心は・・・・・ でんずでんずや」と歌って切る。
- 【32】綱主(二人舞)
- 【33】御笠舞(全員) 四人舞で、他の祝子は全員拝殿の前に立ち注連を引き「ヨイヤサッサヨイヤサッサ」囃しながら注連をゆする。
- 【*】神送り(祝子全員)
上記は、当日の掲示物および、当日頂いた資料を基に作成。
夜神楽見学のエチケット(椎葉村観光協会サイトより)
- 神楽は、集落の神聖な例祭です。地元のお祭りに参加する気持ちを持ちましょう。
地元では、一人あたりお祭りに供物(地元の焼酎2升〜3升)かお祝い(3千円〜5千円程度)を持っていく習わしになっています。
- ビデオや写真撮影は、他の方の迷惑になることもありますので、事前に保存会・神楽宿の了解を得るようにしてください。
- 10名以上の団体の方は、事前に保存会の連絡をし、許可を得てから見学してください。/ 引用おわり
今年の場合、撮影は特に問題ありませんでしたが、前の方での三脚使用は禁止とのことでした。
観客の方については、肖像権・プライバシー権の観点より、「お顔」が認識出来ない程度にボカシ処理しておりますが、お気づきの点、ご要望などございましたら、メールにてご連絡頂ければ対処します。
※この関連記事は、バックデートで書きました。
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椎葉神楽をより深く知りたい方、唱行問答等、より詳しく知りたい方には以下の本をオススメします。
➡ 椎葉神楽発掘 渡辺信夫著
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