堀切峠のヤマザクラ〜若山牧水・岩切章太郎に思いを馳せ〜
Posted morimori / 2020.03.06 Friday / 23:01
今年も、宮崎市の「堀切峠」周辺でヤマザクラが咲いておりました。
「うすべにに葉はいちはやく萌えいでて咲かむとすなり山桜花」/ 若山牧水
上記は、郷土(宮崎県東臼杵郡東郷村(現・日向市)生まれ)の歌人 若山牧水が大正10年に伊豆の湯河原温泉で詠んだとされる、「山桜の歌」の中に収録されている中の一首。
「此の花は花よりも葉の方が先に萌える。
その葉の色は極めて潤沢な茜を含んで居る。
そしてその葉のほぐれやうとするころにほんの一夜か一日で咲き開く花の色は近寄って見れば先づ殆ど純白だが、少し遠のいて眺めるとその純白の中に何とも言へぬ清らかな淡紅色を含んで居る。
花のさかりは極めて短く、ほんの二日か三日で褪することなく散ってしまふ。
散り始めたとなればそれこそ一寸の間をもおかないではらはらと次から次に散り次いで程なく若葉のしめやかな木となってしまふのである。」/ 若山牧水
堀切峠のヤマザクラ
鵜戸神宮周辺の山桜が毎年2月の終わりには咲き、観光客が「さすがは南国宮崎」とびっくりするのを見て、当時の宮崎交通社長・故 岩切章太郎氏が「春は峠の桜から」と、堀切峠に山桜の名所を作ろうと思い立ち、堀切峠の手前の山道に、2,000本の山桜を植えたのがはじまりとか・・。今年は、冷え込みがあまりなく「目覚め」が悪いものもあるのか?開花にバラツキがあるように思えます。
堀切峠駐車場周辺のヤマザクラは 見頃〜散り始めでしたが、旧220号沿いでは未開花のものもありました。
岩切章太郎氏は生前こう述べている。
「あるアメリカ人の批評に“日本には桜の花はあるが、桜の木は一本もない”という一語があった。春になると、花見だ、桜祭りだと桜の花で大騒ぎをする。
それほど、桜の花と日本人とは切り離せぬくらいに深い関係があるが、その大事な桜の木を一体私どもは平素どう取り扱っているのだろうか。日本人は本当に桜の木を愛しているのだろうか」 ・・と。
郷土の生んだ偉人に思いをはせ 今年一回目の桜をお届けしました。
今年の「桜まつり」はどこも中止になるようです。
今年は、集まって宴はいかがなものかと思いますが、人の少ない所で、個人で花を楽しむ分には良いのではと、アップしました。
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