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夜神楽撮影カメラマンによる大光量フラッシュ光害

Posted morimori / 2025.12.25 Thursday / 07:16


私自身、一応、instagramのアカウントはありますが・・稀にしかアップしてないし、内容もショボイし、閑古鳥状態、他のサイトもほぼ見ないのですが、今朝、たまたま見かけた、インスタグラム haraigawa_kagura(祓川神楽)に10日程前に投稿された記事で次のような事が記載されているのが目に停まりました。
ここでも周知の為に引用させて頂きました。

祓川神楽に限らず、人が集まれば大なり小なり、どこの夜神楽でも同じ問題に直面するだろうと思います。

引用元

昨年 令和六年の神楽奉納の際は カメラ愛好家の方々には申し訳ありませんでしたが フラッシュやストロボを使用しての撮影を禁止とさせて頂きました。

理由としては 昨年インスタ内でも説明致しましたが 近年ストロボを多様する撮影が増えた事により 舞手の視界が遮られる事が多くなった事 また真剣を使用するため 視界を遮られる事によって舞手だけでなく拝観に来られた方にも怪我をさせる恐れがある事 神楽はあくまでも神様に日々の感謝と五穀豊穣を祈念して奉納するものであって 撮影の為に舞っている訳ではないという事。そういった諸々の事情を吟味した上で使用禁止にさせて頂きました。

本年度も禁止の方向ではありましたが 分別あるフラッシュ撮影程度なら舞手もさほど気にならない為 拝観に来られた方のご判断に委ねようと 注意書きは出さない流れとなりました。結果極々一部の方の過剰なるストロボ撮影により 多くの拝観に来られた皆様方にご迷惑をお掛けした事をお詫び申し上げます。

来年度はこういった事が無いよう 再度フラッシュストロボ撮影禁止の方向になるとは思いますが 今後とも祓川神楽をよろしくお願い申し上げます。

補足となりますが 舞手一同撮影自体は歓迎しております。皆様方撮影された写真をSNS等で拝見するたびに皆様嬉しく思っております。また撮影した写真をDMで送って頂ければ舞の説明と共に共有もさせて頂きます。
ただ神楽というものは古来より神様の為に舞う舞であり 多くの神社の神事であるということを認識していただければと思います。

年末年始と宮崎ではまだまだ各地で神楽が奉納されます。節度と感謝のお気持ちを持たれながらの 皆様の素晴らしい写真を拝見できることを楽しみにしております。 
引用おわり

夜神楽での大光量フラッシュ光害(令和5年中之又神楽にて)
夜神楽での大光量フラッシュ光害(令和5年 中之又神楽にて)

この日は、光量の大きな出目金みたいなストロボをひっきなしに照射る方がいて、動画も撮っていたのですが、あまりに酷いので公開しませんでした。


「2018九州の神楽シンポジウム」講演で

第一日目(会場:シーガイアコンベンションセンター)で行われた「2018九州の神楽シンポジウム」講演の際の櫻井弘人氏(飯田市美術博物館学芸係長)の基調講演
「長野県南信州における無形文化財遺産の継承と活性化の取組」の中で、写真を撮る立場上、興味深い項目がありましたので引用しておきます。

祭りの環境整備の取組

資産化事業としての記銘映像の撮影にあたっては、一般カメラマンのフラッシュを禁止にして行いました。
その映像をみると、フラッシュがない方がはるかに祭りの情感が伝わり、祭りの本質、本物の祭りが実感できます。そこで、こうした環境の整備が必要だと考えています。
特にカメラマンの多くは祭りにきても自分の作品を撮ることばかりに一生懸命で、フラッシュをたきまくり、観客の前を独占して他者の迷惑を顧みない姿がまま見られます。まずは祭り見学のモラルを調える必要があります。
私たちはフラッシュがたかれる祭りに慣れてしまってその害に気づかないのですが、フラッシュのある映像とない映像を対比していただくと、フラッシュがいかに祭りの雰囲気を壊しているかがわかります。そこで対比する映像も制作しました。祭りの環境を守るこのようなモラルづくりをすることが、本物の祭りを実感したい人に本物のよさを伝えることにつながります。
 ただ雪祭りは屋外で夜中におこなう祭りなので、暗さが問題になります。そこで補助光としてLEDの電灯を設置しました。今のカメラは性能がいいので、明るさはそれで十分で、むしろそのほうがいい写真が撮れます。今後、このような取組みを広めていきたいと考えています。


伝統芸能や、周囲に与える影響を鑑み、他県の神楽や祭りでは、既にフラッシュ類全面禁止となっているところもあります。
こういった取り組みが成されているところもあります。
民俗芸能の環境整備に向けて
フラッシュ撮影が与える影響を考える / 南信州民俗芸能継承推進協議会



2017年4月に発刊された、みやざきの神楽ガイド / みやざきの神楽魅力発信委員会編 / 鉱脈社

という著書の中の、神楽見学のマナー項目、「カメラ・ビデオの撮影」の項目で、ストロボ(フラッシュ・スピードライト撮影)について、高千穂町文化財保存調査員、中央公民館長 田尻 隆介氏は、"神事芸能であり、ストロボ撮影は舞に支障をきたすこともあるので、控えるべきであろう。"とコメントされておりました。

皆さん、フラッシュが神楽を舞われる方や、他の見学者の迷惑となっていることを認識してきているとは思いますが、最近神楽に興味を抱かれた方なのでしょう、今だフラッシュを多用する方もいらっしゃるのも実情です。しかも大光量や、リモートフラッシュまで使って。

祓川神楽さんが示されたように、主催(保存会)側でルールを決めるのがスムーズに事が進むのではないでしょうか? 
ただ、インスタグラムはすべての方が見ている訳ではないので、県全体で取り決めをして県や市町村の公式サイトなどでも告知、周知して頂くのが良いでしょうね。

ご存じのように、神楽は2028年に、ユネスコ世界遺産登録を目指しています。
宮崎県内の神楽も、この問題に関しての環境整備に取り組んで欲しいものです。


− 夜神楽撮影カメラマンによる大光量フラッシュ光害 −

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