えびの高原 県道1号の新ルート 火山ガスで再び通行止めに
Posted morimori / 2023.06.01 Thursday / 23:37
県道1号小林えびの高原牧園線 6/3 - 再び通行止めに・・
【6/2追記】硫黄山付近の県道1号小林えびの高原牧園線は、昨年11月に、土日、時間、車両などの条件付きで通行再開しましたが、避難情報の基準を超える濃度の火山ガスの検出がが続いている為、6月3日より再び通行止めになります。以下は、2018年4月19日に書いた記事です。
2018年4月19日、えびの高原の硫黄山が250年ぶりに噴火して 今日で5年です。
今回掲載した以下の画像は、2018年4月に、硫黄山が250年ぶりに噴火(ごく小規模の噴火)した時のライブカメラ映像などの記録スクリーンショットです。

2018/4/19 硫黄山南 気象庁カメラ画像のスクリーンショット
県道1号道路沿いには噴気口がいくつも出現

2018年4月20日・県道1号脇に噴気孔
活動が活発な当時、設置してあったライブカメラの映像をキャプチャしたもの
活動が活発な当時、設置してあったライブカメラの映像をキャプチャしたもの
この噴火はごく小規模の噴火で、人的被害などは出ませんでしたが、河川の水質が悪化し、一部農家が稲作中断を余儀なくされる被害が出ました。
2021年には水質の改善を受け、4季ぶりに全域で稲作が可能となっています。
えびの高原周辺を中心に、観光関連は大打撃となった。
宮交ショップアンドレストランが運営していた「えびの高原」の観光施設「足湯の駅えびの高原」「りんどう」は、2019年4月から休業となり、えびの市へ無償譲渡された。
同社が指定管理者となっていた、県営えびの高原ホテルの運営も休業が続き、結果的には断念。現在は指定管理者が「株式会社 レジャークリエイトホールディングス」へと変わり「ホテルピコラナイえびの高原」となっている。
噴火以来、通行止めとなっていた県道1号は、噴気孔を避けるルートの工事が完了、2022年11月26日、4年9カ月ぶりに条件付きで通行をようやく再開した。

えびの高原 県道1号の新ルート(噴気孔回避ルート)

土日・時間制限、自動車(オープンカー除く)など条件付きで、通行出来るようになりました。
UMKニュースによると、これにより県道1号を利用する行楽客が増え、4月16日の日曜日、えびの高原の駐車場は朝から満車になったとの事でした。
一方、今朝の宮崎日日新聞記事によると、再開区間を走る車は多くはなく、効果は限定的との意見もありました。
以下は 4/19付 宮崎日日新聞 社会面より一部引用
人気観光地のえびの市・えびの高原と小林市・生駒高原を結ぶルートが条件付きで復活したが、「ホテルピコラナイえびの高原」の大石勝幸総支配人(55)は「再開区間を走る車は多くはなく、効果は限定的。アクセスが命の観光地にとって、平日や祝日も通れない道と、いつでも通れる道の利便性の違いはかなり大きい」と話す。安全確保の重要性に理解を示しっつ、「観光とのバランスをもっとうまく取れないか」と求める。
県小林土木事務所によると、再開区間では、昨年11月26日以降、今月上旬までに火山ガス濃度が通行止めの基準を超えた日が計7日。佐藤祐之次長は「安全が第一で平日、祝日を含む再開の判断にはその根拠となるデータの蓄積が必要」と説明。追加の規制緩和の時期について、専門家の意見も踏まえ慎重に検討する考えを示す。
/ 引用 おわり
ニーズ(行楽のスタイル)の違いなどあるかも知れませんね。
火山ガスの発生地帯がいくつかあることは着工以前から分かっていたことですが、3案から距離が一番短い今回のルート決定となり、着工、完成はしたものの、結果的には火山ガス発生地帯が障害となり、完全開放は遠のいてしまったようにも思えます。(誰もGOサインは出せないでしょう)
自然は、思惑、期待に沿ってくれません。
火山ガス発生地帯を大幅に避けられる不動池からのショートカットコースにしておけば良かったのではないでしょうか。
県道1号が、土日一定時間、通行できる事を知らない方も多いと思います。
まずは周知してもらう事からでしょうかね。
道路は開通しても、突然の噴火・火山性ガス(硫化水素など)のリスクは拭えない
2018年の硫黄山噴火の際には県道一号付近に噴気孔が出来たり、その後も硫黄山周辺では硫化水素などの有毒ガスが検出されたりしておりました。最近の状態をチェックしておきましょう。
➡ 霧島山の火山活動に関する情報提供(宮崎県サイト)
➡ 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の活動状況(気象庁サイト)